潰瘍性大腸炎,潰瘍性大腸炎について

基本的に寛解期の時は食事制限などはありません。バランスの良い食事を心がければいいだけです。たまには外食等で偏った食事になることもあるとは思いますが、その際は次の日の食事をヘルシーな健康的な食事にすればよいかと思います。

注意が必要なのは、活動期や炎症がまだ残っている退院直後等です。食事の基本は、高カロリー、高蛋白、低脂質、低残渣、低刺激に心がけた食事となります。高カロリーについて、炎症等がある場合、修復するのに多くのエネルギーを消費するため通常より多くのカロリーを必要とします。また、蛋白の減少もあるため、高蛋白の食事も必要です。低脂質、低残渣、低刺激については、炎症を起こしている大腸を安静にして症状を悪化させないことが目的となります。

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主な治療方法としては投薬治療となります。

アサコール等のメサラジン(5-ASA製剤)を使用し、症状が治まらない場合には、プレドニン等のステロイドを使用します。尚、多くのステロイドを投薬している間は入院が必要となります。ステロイドについては、強い抗炎症作用があるため、潰瘍性大腸炎の炎症も抑えることができます。また、ステロイドの副作用が気になる方も多いとは思いますが、寛解を維持するという目的で使われるものではないため、最終的には服用はなくなり、メサラジン (5-ASA製剤) により寛解を維持することになります。基本的に上記にて寛解を目指しますが、寛解しない場合には免疫抑制剤や透析等の治療方法も行います。それでも寛解しない場合には、手術により大腸の全摘出となる場合もあります。

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まずは問診にて粘血便のがみられること、排便回数、腹痛の有無を聞かれることが多いと思います。

検査としては、血液検査を行い貧血や炎症の値を見ます。また、大腸カメラによる観察により、潰瘍性大腸炎に見られる特徴的な病変を確認します。その際、粘膜の一部を採取し、生検組織学検査をします。大腸カメラを行う際には、事前に食事の制限や下剤の服用が必要になってきます。検査当日についても鎮静剤を使うため、丸一日予定を空けておくことが必要です。

上記のような検査を一通り行い、全ての結果が確認できた後、潰瘍性大腸炎の特徴と一致すれば潰瘍性大腸炎と判断されます。

潰瘍性大腸炎,潰瘍性大腸炎について

潰瘍性大腸炎(UC)とは、炎症性腸疾患(IBD)のひとつです。原因不明の病気であり、特定疾患(難病)として指定されています。

大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができる病気で、寛解と再燃を繰り返し、治るという概念のない病気です。そのため、再燃した際は寛解に向けた治療を行い、長期的に寛解を維持することが重要となります。

先ほど原因不明の病気と説明しましたが、ストレスや食生活が原因とも言われています。例えば、環境の変化や慢性的なストレス、食事の欧米化や暴飲暴食などがあげられます。

潰瘍性大腸炎は、「直腸炎型」「左側大腸炎型」「全大腸炎型」に分類され、炎症の起きている範囲で分けることができます。基本的には直腸から炎症が始まり、大腸の奥に進行していきます。症状としては、排泄時に粘血便が出ることや、残便感、頻繁に便意をもよおす、腹痛等があり、悪化すると発熱、倦怠感、食欲不振、皮膚疾患等の症状も出てきます。また、大腸癌の発生率も高くなると言われています。

入院,潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎と診断を受け、すぐに入院して治療した方がいいと言われましたが、仕事の引継ぎ等があったため、約1カ月は在宅治療をしながら仕事も普通にしていました。症状は徐々に悪くなり、入院直前には体重15キロ減、食欲不振、トイレ1日約20回、熱は常に28度。通勤に1時間かかるため、毎日フラフラの状態で電車の中ではいつ腹痛が起こるかビクビクしながら出勤する生活。腹痛が起これば耐え難い激痛で、夜中も何度も起きるため生きた心地がしなかったです。

仕事の引継ぎも終わり入院。入院前に「特定医療費(指定難病)受給者証」「健康保険限度額適用認定証」の申請もしてしっかりと準備しました。入院中は基本的に投薬治療。中心静脈栄養(高カロリーの点滴)による栄養状態の改善と絶食により大腸を休ませ、プレドニン(ステロイド)を服用することにより炎症を抑える治療でした。もちろん潰瘍性大腸炎の方が普段使用しているアサコール(メサラジン腸溶錠)やペンタサ注腸も服用していました。

治療は順調で、プレドニンの量も減っていき、5週間での退院となりました。退院後は2週間在宅療養した後、傷病手当や医療保険の手続きをして、無事仕事復帰もしました。